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救急車は有料化にすべきなのか?有料化による医療機関への影響を解説

日本では無料で使える救急車。実は海外では救急車は有料化されている国が多いのが現状です。日本でも近年救急車を有料化すべきではないかとの声もでており、数年前から有料化の検討が進められています。 救急車が有料化することで、医療機関にはどのような影響があるのでしょうか。

救急車の利用の現状を知り有料化の意図を探る

救急車の有料化がなぜ話題になっているのかを知るためには、救急車利用の現状を知る必要があります。まずは、現在の救急車の利用状況について解説していきます。救急車の有料化がなぜ議論されているのかその理由を深掘りしていきます。

救急車の年間出動数と要請理由

総務省消防庁の発表によると、2021年の救急車の年間出動数は619万3,663件となっています。新型コロナウイルス感染症の影響がまだ残っているため、これまでと比べれば少ないものの、新型コロナウイルス感染症が大流行した2020年からは徐々に増加傾向となっています。また救急車要請理由を見てみると、急病による要請が65.7%と最も多く、次に不慮の事故による一般負傷(運動競技・自然災害・水難・労働災害を除く)が16.0%、交通事故が6.2%となります。過去をさかのぼると、交通事故による救急車の要請が多い傾向にあったのですが近年では交通事故による救急車要請は減り、急病による救急車要請が圧倒的に多くなってきているのです。特に軽症であり、自力で医療機関の受診が可能である方の救急車利用が増えているというのも現状です。例えば、実際にあった社会通念上不適切お思われる通報の事例には自分でも行けるけど救急車の方が早いと笑いながらの救急要請、医療機関の場所が分からない、子供が指をドアに挟んだ、タクシーが捕まらないなどの理由で救急車を要請しているというものありました。

令和3年中の救急出動件数等(速報値)

 

救急車の出動による費用

救急車を要請した一般市民は無料で救急車を要請できますが、救急車が出動するには費用がかかります。 救急車が1回出動するのにかかる費用はおよそ4万5,000円と考えられています。このなかに諸経費なども含まれています。上述した出動件数を加味するとかなりの金額が公費で賄われているということがうかがえるのです。

Vol.72 適正な救急搬送の見直しをしよう!

救急車を有料化にすることによって医療機関にどのような影響があるのか

救急車が無料化となっている現在、上述したデータを見てみると多くの方が気軽に救急車を利用しているといえます。その結果として医療機関は、救急車の対応により追われているかもしれません。もしも、救急車が有料化した場合、医療機関にはどのような影響があるのでしょうか。

救急受診者が減り、業務負担が軽減する

総務省消防庁の発表したデータを見ながら2021年の救急要請者の内訳を見ると、実は重症などで医療に尽力しなくてはならない方の割合は救急搬送車全体の8.5%と非常に少なくなっています。重症ではないものの入院加療が必要な方の割合が45.2%であり、外来での診療で済むケースが44.8%となっており、救急要請者の約半数が軽症で救急要請の必要がない方であるということがこのデータからうかがえるのです。 つまり半数以上は救急車の要請が必要のない方となるので、救急受診者が一気に減り、結果として医療機関側の業務負担が一気に軽減することが考えられます。入院加療が必要な方においても救急車を活用してまでの緊急入院をする必要がない方も含まれているという点を加味すると、さらに救急受診者は減ることが予想されます。そうすると、救急外来のスタッフだけでなく、緊急入院を受け入れる病棟側の負担も減らせるので、総じて医療機関あるいは医療スタッフの負担を減らせるといえるのです。

令和3年中の救急出動件数等(速報値)

他部署のマンパワー不足が解消でき、等しく医療を提供できる

救急要請者が多いと、必然的に救急外来の人数を増やして対応しなければなりません。 看護師は特にどの医療機関においても全国的に不足状態であるのが現状です。どの部署でも看護師の需要があるにもかかわらず、 救急外来への受診者が多いことで必然的に救急外来に看護師を配置しなければなりません。 特に、救急外来は1年目などの経験が未熟な方が働くことは難しく、経験豊富な看護師を配置せざるを得ません。人員、経験豊富なスタッフを救急外来に配置すれば必然的に他部署の看護師の人数、看護師のスキルが不足してしまいます。 救急車を有料化して救急受診者が減れば、救急外来へ配置する看護師の人数も減らせるため、他部署に看護師を配置できます。そうすれば、他部署のマンパワー不足の解消につながり、すべての部署で等しく医療を提供できるのです。

重症者の対応がスムーズに行える

救急車を有料化し、救急車の出動台数を減らせば、救急車を本当に必要な人のもとへ速やかに向かわせることができます。 その結果、本当に医療を必要とする重傷者の対応がスムーズに行え、助けられる命が増えるということが考えられます。 救急車に乗車している救急隊による初期対応がスムーズに行えれば、医療機関に到着してからの対応もスムーズに行え、命が助けられるだけでなく、医療の負担も軽くなるといえるのです。

救急医療サービスの経済分析

救急車を有料化する問題点

救急車を有料化すると医療機関にとってはよい影響をもたらしている と思われるかもしれません。その一方で、有料化することによる問題点も秘めています。ここから救急車を有料化することによる問題点を解説します。

救急車を呼ぶべき人が救急車を呼ばず救える命が救えなくなる

救急車が有料化されることで特に金銭的に負担のある方は間違いなく救急要請を控えることが考えられます。 本当に救急車が呼ぶ必要があるのに救急車を呼ばなくなることで、本来ならば救えた命が救えなくなってしまうというリスクがあります。 ここは医療関係者側からも、救急車の有料化がおよぼすリスクとして危惧されており、有料化したことによる最大の影響となることが考えられるのです。

過大なサービスを求められる可能性がある

有料したことで、救急車利用者も「お金をせっかく払っているのだからよい待遇をしてもらおう」という感覚が芽生えてくる可能性が考えられます。せっかくお金を払っているのだからと医療機関あるいは救急隊側に過大な要求をしてくることが懸念されています。つまり、救急要請をしたことによってこれまで以上に質の高いサービスを求められてしまうかもしれないのです。 また、金銭的に余裕がある方がこれまでのように救急車を不適切な方法で利用して医療を求めるリスクも秘めているのです。

救急医療サービスの経済分析

救急車を有料化するならば金額の妥当なラインは?

もしも救急車を有料化するのであれば、現在話題となっているのが救急車を有料化する際の金額です。救急車を有償化する上での妥当な金額ラインについて特に第一線で医療に携わる医師たちはどのような意見を持っているのでしょうか。

有料でも安価が医師の意見としても圧倒的に多い

有料化によって徴収する具体的な金額は医師たちによって意見が分かれているものの多くの医師が数百円程度で良いのではと考えています。 上述した適切な医療を受けられなくなるリスクを考慮し、数百円と金銭的な負担を少なくしていく方向がベターではないかという意見が多く挙がっています。 救急車の不正利用をなくすためには100円でも良いから費用を徴収すべきとの声が多いので、救急車の不正利用をなくすという目的で少額のお金を請求するという方向性が妥当なラインといえるのかもしれません。

救急車の利用料、医師の考える最多は「5000円」

定額制ではなく状況に応じて徴収すべきとの声も

上述したように一律でいくらと金額を決めるのではなく、状況に応じて金額を設定すべきではというお声もあります。 例えば、重症化の方が救急要請をした場合にはこれまで通り無料とし、軽症であれば高額な金額、中等症であれば軽症よりも割安な金額を請求するというものです。 このように、軽症の方の支払い分を増やすことが、救急車の不正利用を減らすための方法として最善ではという見方もあります。

近い将来救急車は有料化の見方が強い!今後の動向を注視すべき

直近での救急車有料化の可能性は低いとはいえ、近い将来救急車有料化の可能性は十分に秘めています。 特に、新型コロナウイルス感染症の蔓延により機能低下していた救急車の機能が徐々に復活していることもあり、今後は 救急要請者数が今まで以上に増えてくる可能性があるからです。 医療機関にとって救急車の有料化は良い影響をもたらす一方で、救える命が救えなくなるという医療本来の役割を果たせなくなるほか、 ホスピタリティなど過度な役割を求められる可能性も出てきます。 数年前から平行線となっている救急車有料化の議論。今後の動向を注視していくことが必要となるでしょう。

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