透析看護とは?透析室で働く看護師の仕事内容や認定資格、給与を解説
2023/08/01

「透析看護」について、看護師の役割や業務内容を知っていますか? 透析室の看護は、専門知識が必要ですが、身体的負担の大きい夜勤業務やオンコールがないのも魅力の一つと言えます。 夜勤による不規則な勤務や業務の多忙さが原因で転職を考えている看護師の方もいるでしょう。 透析室の看護師業務は、ルーチン業務で比較的残業が少ないため、働き方が気になる方も多いのではないでしょうか。 この記事では「透析室の看護師の役割、仕事内容や給与」について解説します。
目次
透析看護と透析看護師の役割とは
人工透析は、慢性腎不全などの患者さんの腎機能の役割を補助するために、人工的に血液を濾過する治療法で、多くのクリニックや病院内で治療が行われています。 透析看護とは、透析クリニックや病院の透析室へ通院する患者さんに対し、1回4〜5時間程度かかる治療の補助と適切な治療が行われるよう看護することです。 透析看護師の役割は、透析準備・シャント部位の穿刺の医療行為と、透析中の患者様の観察や健康管理・指導を行います。 特に透析中は、患者さんの血圧の変動や状態観察をしながら、透析の除水量を見極め、定期的に記録しなければなりません。 透析室における看護は、疾患や検査データに加え、透析機器について幅広い知識が必要になるやりがいのある仕事です。
透析看護師の仕事内容
透析室の看護業務はルーチン業務が多く、仕事内容は以下の3つに分かれます。
1.透析前の準備から終了までの業務
看護師は、透析前の人工透析機械の準備から透析終了まで以下の業務を行います。
・来院した患者様の血圧や顔色、歩行状態など普段と変化がないか観察する
・体重測定と人工透析機器のプライミングを行う
・血液透析用に造設された血管(内シャント)に針を穿刺して、透析用の血液回路を接続し血液浄化を開始する
・透析終了時に返血操作、抜針・止血を行う
・患者さんの状態観察と体重測定を行い、人工透析機器の片付けをする
最近では人工透析機械の操作が簡単なものが増えており、機械操作が苦手な方も練習を重ねることで操作に慣れるでしょう。
2.透析中の看護と記録業務
透析中の看護は、血圧低下や気分不良などの状態変化がないか注意深い観察が必要です。 また、透析中不穏になる患者さんもいるので、透析中のトラブルが起こらないよう対応し、透析中の記録を作成します。
3.患者さんの健康管理と生活指導
透析看護では「患者さんの健康管理と生活指導」が大切です。 人工透析を受ける患者様は、体重管理、食事や飲水制限、内シャント管理など、日常生活の中で注意しなければならないことが数多くあります。 適切な透析管理をするために、看護師は正しい知識や制限を守れるようを患者様へ指導し、定期的に確認します。 患者様の心に寄り添いながら、個人に合わせて生活を改善できるよう指導していく必要があります。 健康管理と生活指導は、患者様の予後に直結するため、透析看護において重要な役割です。
透析室のキャリア「認定看護師」になるには
透析看護の業務を行う上で資格は不要ですが、さらにキャリアアップを図るために「透析認定看護師」の資格があります。 患者さんの透析治療が安全かつ安楽であるように配慮し、長い治療生活においてセルフケアできるように支援するのが透析看護認定看護師です。 透析認定看護師になるには、以下の過程をふまえ学会認定試験に合格する必要があります。
1.看護師経験が5年以上、透析に携わる経験が3年以上ある場合、資格取得の講習の受講が可能
2..認定看護師専門機関で6カ月以上615時間以上の講習や研修を受講
3.審査に合格すると透析看護認定看護師の資格が授与される
資格取得後も看護実践の報告書を5年に1度提出し、資格を更新する必要があります。
認定看護師 | 看護職の皆さまへ | 公益社団法人日本看護協会
透析看護師の給与水準
透析看護師の給与水準は、残業や夜勤がない職場が多く、年収342〜404万円の水準で外来勤務と夜勤が多い病棟の中間と言われています。 ほとんどの透析クリニックや透析室の場合、定時で仕事を終えられるのでワークライフバランスを重視して勤務する看護師の方が多いでしょう。 透析看護師は、外来の日勤業務と同じ時間帯で病棟勤務と同程度の給与が支給されるので、業務量の割に給料が高い傾向にあります。 また、派遣やパートの募集も多く、平均時給は1,200〜1,500円程度です。 職場によっては、土日や準夜帯の透析を行っている場合もあります。その場合、日勤業務のみの透析看護と比べて年収50万円程度増加が見込めるので、転職時に勤務時間や手当を確認しましょう。 透析室看護師は、定時で働けてワークライフバランスを考えながらある程度の収入も見込めます。
まとめ
いかがでしたか? 今回は「透析看護師」について解説しました。 透析看護師は認定資格もあり、看護師としても専門領域を深く学べる分野です。 また、残業や夜勤もないため、比較的定時で帰れることが多く、ワークライフバランスを重視して働けるのも魅力的でしょう。 透析看護に興味があり転職に悩んでいる方は、病院内の透析室やクリニックでの看護師を選択してみると良いかもしれません。 クラッチナースは転職やキャリアに悩む看護師の方へ、それぞれに寄り添った支援をしています。 まずは気軽に、クラッチナースへ相談してみてはいかがでしょうか。
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