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ヘンダーソンの看護理論とは?活用の仕方も簡単に解説!

「ヘンダーソンの看護理論の意義が理解できていない…」「アセスメントが苦手…」という方に向けて、ここではヘンダーソンの看護理論の考え方や14の基本的欲求について簡潔に解説します。また、ヘンダーソンの看護理論の活用の仕方についても紹介するので、改めて理解をして日々の看護に活かしてみましょう。

1.【分かりやすく要約】ヘンダーソンの看護理論とは?


ヘンダーソンの看護理論は60年以上前に唱えられたものですが、今もなお看護の基礎として語り継がれています。看護理論家であるヴァージニア・ヘンダーソンが唱えた看護理論では、看護について「人が援助を受けずに自立できるように援助すること」と捉えています。つまり、「できないことがある患者さんに対して、通常の状態が保てるように助けることが看護師の役割」ということです。なお、この“援助”は、その人ができるだけ早く自立できる方法で行う必要があるとも述べられています。

とはいえ、目指すべき自立の程度や通常を判断するには基準が曖昧であるため、ヘンダーソンは「人間は14の基本的欲求(ニード)で構成される」とし、この14の基本的欲求に基づいて必要な看護を判断するとしました。”

 

2.ヘンダーソンの「14の基本的欲求」について

ヘンダーソンの看護理論でいわれる「14の基本的欲求」について、充足度を考える際に収集すべき項目もあわせて以下で解説します。

なお、上記の基本的欲求は、患者さんの「年齢・感情・社会的/文化的状態(金銭状況や社会的地位、人間関係など)・身体/知的能力」を考慮したうえで判断する必要があります。また、病状も基本的欲求に影響を与える可能性のある要素です。

基本的欲求 収集すべき情報
1 正常に呼吸する 呼吸数・呼吸音・酸素飽和度・咳・アレルギーなど
2 適切に飲食する 食事の時間・食事の摂取量・水分摂取量・嘔吐など
3 体の老廃物を排泄する 尿意・尿量・便意・排泄回数・性状・便通など
4 適度に移動をし、良い姿勢を保つ 歩行状態・安静度・ADL・日常生活習慣など
5 睡眠をとる・休む 休息時間・睡眠時間・熟睡感・痛みの有無など
6 適切な衣服を選び、着脱する ADL・発汗・皮膚の状態・ルートの有無など
7 体温を保持する 発熱・環境(温度や湿度)・感染症の有無など
8 清潔を保ち、皮膚を保護する 入浴状況・ADL・失禁の有無・皮膚状態など
9 環境の危険因子を避け、他者を傷害しない 感染対策・認知機能・危険な場所の確認など
10 他者とコミュニケーションをとり、
感情やニードなどを表す
認知機能・言動・聴力・人間関係など
11 自分の信仰に従って礼拝する 信仰の有無・価値観・信仰による制限の有無など
12 達成感を得られる仕事をする 職業・社会的役割など
13 遊びやレクリエーションに参加する 趣味・気分転換の方法・認知機能・ADLなど
14 正常な発達や健康を導くような学習をし、
好奇心を満足させる
発達・治療への理解・認知機能・学習意欲など

 

3.アセスメントへの活用の仕方

まずは、基本的欲求に影響を与える要素を考慮しつつ、14の基本的欲求に関する情報を収集します。このとき、主観(S)/客観(O)どちらの情報も収集することが大切です。

たとえば、患者さんが「ご飯はほぼ完食している」と言っていても、看護師が実際に情報を収集してみたら毎回半分以上残しているという矛盾もよくあります。この場合、患者さんがどうして「完食」と事実と異なる発言をしたのかを考えましょう。本当に完食していると認識している、「注意される」と思ってしまった、など多くの可能性が考えられます。

S・O双方の情報を突き合わせ、どのような看護が必要なのかを判断していくことで、患者さんが“本当に必要としている”援助が叶えられるはずです。

 

4.“ニード”を把握するにあたって大切なこと

看護をする際は、「認識しているニードは本当に適切なのかどうか」を常に考える必要があります。万が一、患者さんのニードを誤って認識していた場合、看護師は適切でない看護を提供し続けることになるためです。患者さんのニードは人それぞれであり、その主張の仕方もそれぞれ異なります。

ニードを把握したと思っても1度きりで考えるのをやめるのではなく、目の前の患者さんの主張に耳を傾けたり、患者さんの様子を毎日よく確認したりして、都度ニードの検討することが重要です。

まとめ

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