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診療看護師とは?一般の看護師との違いや資格の取り方、給与を解説

「診療看護師」という職業を知っていますか? 診療看護師は、アメリカでは50年以上も歴史ある職業であり、州によっては独立開業できる職業です。 日本では、認定資格試験に合格し、全国の各病院で約670名ほどの診療看護師が活躍しています。 看護師の方で、今後の長い人生やキャリアを考えた時に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、キャリアアップの選択肢の一つとして「診療看護師の役割や資格の取り方と給与」について解説します。

診療看護師とは

診療看護師とは、5年以上の看護師経験を経たのち大学院修士課程での医学教育を修了し、日本NP(診療看護師)教育大学院協議会が実施するNP資格認定試験に合格した看護師です。 診療看護師は、アメリカでは50年以上の歴史のある職業で、医師からは独立して開業し、診療、検査、処方を行っています。 日本では看護師にはこれらの権限は認められていませんが、診療看護師は医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができます。 現在日本では、2008年にNP養成課程の開始後、2022年4月時点で全国に670名の診療看護師が在籍しています。

診療看護師と一般の看護師の違いと役割

一般の看護師は医師の指示のもと、看護ケアを行っており、医師の行う診療・検査・処方などの医療行為ができません。 しかし、診療看護師は医師の指示書のもと、特定行為(28区分38行為)と呼ばれる一定範囲内の診療・検査・処方が行えるため、可能な業務の幅が広がります。 現代の少子高齢化社会の医療ニーズ増加から、今まで医師が担っていた業務の一部を看護師が行なえるため、さらに「看護師という職業の専門性が高まってきている」と言えるでしょう。 また、診療看護師の役割は、医師と看護師の2つの視点で知識や技術を活かして「チーム医療の円滑化や他職種との連携を図る」ことです。 医師や他職種との中間的存在を担うことで医療提供の質の向上が期待されています。

診療看護師の給与水準

診療看護師の給与水準は、明記されていないことが多いのが現状です。 日本において診療看護師は、まだ認知度が低く有資格者も少ないため、看護師の給与に「資格手当」として支給している病院がほとんどでしょう。 厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、一般の看護師の現金給与額は34万4,300円です。 国立病院機構を例にすると、診療看護師の資格手当は約6万円程度ですが、この金額は職場や有資格歴や経験年数などにより変わります。 今後、少子高齢化や医療ニーズの増加から、さらに診療看護師の活躍の場は広がり、資格手当を追加する職場も増えると予想されます。 診療看護師として就職したい方は、就職先のホームページに手当が明記されていないこともあるので、直接問い合わせて確認しましょう。

診療看護師になるには

診療看護師になるには、以下の5つの課程をふまえて診療看護師の認定試験に合格する必要があります。

1.正看護師として5年以上の実務経験を積む
2.診療看護師の教育課程がある大学院(修士課程)に進学する (日本NP教育大学院協議会認定の診療看護師教育課程の大学院)
3.大学院にて看護学修士課程を2年間履修し卒業する  卒後、資格認定試験の受験資格を得られる
4.日本NP教育大学院協議会管轄の「NP資格認定試験」を受験し合格する
5.国立病院機構から診療看護師の認定を受ける

認定を受けて初めて、それぞれの医療機関での勤務が可能になります。 アメリカでは診療看護師は50年以上の歴史があり、日本より先進的な医療が進んでいると言えます。 日本においては、2020年9月にはアメリカのナースプラクティショナーを参考にしたNP教育の課程認定を行っている日本看護系大学協議会と日本NP教育大学院協議会、日本看護協会の三団体で協議を行っています。 2020年9月23日に、自民党看護問題小委員会宛に三団体連名で「ナース・プラクティショナー(仮称)制度の創設に関する要望書」を提出しています。 日本でも診療看護師制度の拡充が期待されます。

まとめ

いかがでしたか? 今回は、看護師のキャリアアップの一つとして「診療看護師」について解説しました。 診療看護師は、医師と看護師の2つの視点を持ちながら活躍できるので、看護師という職業の専門性の向上が期待されています。 日本において、まだ認知度の低い診療看護師ですが、今後さらなる活躍の場が拡充していくでしょう。 今後も医療に深く携わりたいと考えており、自身のキャリアに悩んでいる方は、診療看護師を目指してみるのも良いかもしれません。 クラッチナースは転職やキャリアに悩む看護師の方へ、個別性を考えた寄り添った支援をしています。 まずは気軽に、クラッチナースへ相談してみてはいかがでしょうか。

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